研修担当者のブログ

2021.08.19

リーダーシップとマネジメント

1on1と問題解決思考

 

 

昨年頃から、複数のリーダー研修で「1on1ミーティング」を受講者にやってもらってます。
「ヤフーの1on1(ダイヤモンド社)」など、出ている本なども参考にしながら、あまり難しいことは考えずに「とにかく一度やってみようよ!」という感じで始めました。
介護現場は、リーダーも含めシフトで動いています。現場のルーチンを抜けて、二人の職員が面談をするということは、なかなか大変なことなのですが、皆さんそれなりの工夫をして 1on1に挑戦してくれています。

取り組んだ方、ほぼ全員が「1on1」に何らかの手応えを感じています。
介護リーダーのみなさん、普段から日常の業務遂行にあたっての報連相はそれなりに出来ているのですが、
「あらたまって自分の思いを聞いてもらう」「課題だと感じているがなかなか解決できていないことを話す」など、とても意味のある時間になっているようです。

忙しい中で効率よく「1on1」が実践できるように、今年度からは簡単な面談シートを作り、これを事前に記入して面談相手に渡しておいてもらい、そのうえで1 in 1を実行するように工夫しました。
面談した内容については、後日簡単に教えてもらうのですが、これがなかなか面白く(記述内容の個人差が凄い)面談は本当に上司によって、あるいは部下によって、成果が出る場合とそうでない場合があるんだなぁと感じています。

基本的には上司が部下の話を2:8で受容、傾聴することが大事だと思っているのですが、介護リーダーの多くは「聞いてもらうだけでなく困りごとに対する具体的なアドバイスがもらいたい」と思っています。
例えば「人手不足で困っている」という問題が現場から良く聞かれます。
「人手不足」は結構抽象度の大きな言葉なので、もっと解像度を上げていくつかの課題に分割してあげないと、具体的な打ち手が思いつきません。
そこで「人出不足で何が困っているの?」「たとえばどんな問題が起こっている?」など、5W1Hの質問を投げかけると、リーダーが色々と考えて具体的に答えてくれるようになります。
「限られた時間の中で多くの業務をやらなければいけないことがとてもプレッシャーである」とか
「誰でも採用しているのでできる人とできない人の差が大きい」とか
「年長の新人もいる中で自分はとても苦労してまとめている」
などが具体例でしょうか。いくつかの要因を紙に書き出して、それぞれをもっと細かい課題に分類していくことによって具体的な打ち手が見えてきます。
「人手不足」という問題を短期間に100%解決することは困難ですが、
「人手不足で何が起こっているのか」ということを考えていくと、現場でやるべきことが見えてきます。
それらに手をつけていくことで、100%の解決が無理でも、20~30%の改善ができるはずです。
毎日忙しい中でも、こうした地道な取り組みを確実に行っていくことが大事だと思います。
今年の 1on1では、皆さんと一緒に「聞くスキル」と「問題解決の考え方」について、私も一緒に学んでいこうと思っています。