研修担当者のブログ

2022.08.23

リーダーシップとマネジメント 人材育成プログラムや研修カリキュラムの考え方

介護現場における目標設定の難しさについて

新型コロナウイルスの第七波の影響が本当に大きく、どこの現場も大変な状況です。

いくら本人が気を付けて感染対策していても、家族が感染、あるいは濃厚接触者になってしまうことがあるので、介護施設でも出勤停止になってしまう介護スタッフがいます。

これを埋めるために勤務交替や残業を繰り返して「心も体もくたくたです」というリーダーさんのお話を良く聞きます。本当に一日でも早くこの感染禍が収束してくれることを願うばかりです。

さて、今回は「介護現場における目標設定の難しさ」について書こうと思います。介護福祉ライターの宮下公美子さんは、介護求人ナビにおいて、以下のように述べています。

“職場としての目標も、個人としての目標も、明確化されることが少ないのも介護の現場の特徴です。人を相手にする仕事は数値化しにくく、目標設定がしにくい側面はあります。しかし、目標が明確にされなければ、何に向かって努力し、スキルアップを図ったり、意欲を高めていったりすればいいかがわかりません。こうしたことも、介護の現場が「マネジメント不在」と言われがちな理由の一つです“
これは本当にその通りだな、と思います。そして、この課題が解決されないまま色々な目標が設定され、取り組みを「やらされて」いる状態が、現場の介護スタッフのモチベーションを低下させているように思います。

ピーエムシーの人材育成プログラムでは、以下のような資料を提示して介護スタッフの皆さんと一緒にチームや個人の目標を考える時間を持つようにしています。

①部署目標は、事業計画や経営理念をブレイクダウンしたものになっているだろうか?

②部署目標は、実現可能で客観的に評価できるものだろうか?

③部署目標は、チームのメンバー全員で取り組める内容になっているだろうか?

近年、介護スタッフの人材不足が深刻化しています。また、スタッフの高齢化も気になります。課題が山積している介護現場で「質の高いケア」を追求し続けることも大事ですが、「現状」と「理想」の丁度中間に置けるような目標の設定が本当に難しくなっていると感じます。今までだったら当たり前に出来ていたことがコロナウイルスの影響で出来なくなっていたり、職員の数が変わらなくても質が変わって不適切ケアが増加していたり、一度下げてしまったサービスのラインを元に戻すのが難しくなってしまったり、介護現場のマネジメントは本当に難しいなあと思います。

部署目標の適切な設定…改めて大事だけど難しいテーマだと思いました。もう少し整理してこの続きを書いてみたいと思います。

 

参考文献:宮下公美子さんの記事「介護求人ナビ介護トピックス」

https://www.kaigo-kyuujin.com/oyakudachi/topics/49014