研修担当者のブログ
2023.01.11
介護現場での1on1ミーティングに効果はあるのか?
【1on1ミーティングとは】
1on1ミーティング(以下「1on1とします」)とは、上司と部下が一対一で行う対話のことです。
一対一の対話というと人事考課の面談を想像する方も多いかもしれませんが、目的や実施方法に大きな違いがあります。
1on1は部下の成長を目的として行います。また、1on1は一般的に短いサイクルで定常的に実施されます。
1on1はIT業界など変化の激しい業界で取り組まれ始め、現在ではさまざまな業種において取り組まれるようになってきています。
ピーエムシーでは、これまで何度か介護現場での1on1実践に取り組んできました。
1on1に取り組んでもらうと、ほぼすべての皆さんが「実践してみたら大きな手応えを感じた!」と話してくれます。今回は実際に1on1に取り組んだある事業所様での実践について報告します。
【取り組みの準備】
取り組みをはじめるにあたり、短い時間で効率的な1on1が実施できるようにワークシートを準備して事前に記入して1on1に臨んでもらうようにしました(下記参照)。実践事例を色々と調べて参考にさせてもらいました。
また、今回は通常の1on1とはやり方を変え、部下から上司に1on1を依頼してもらうことにしました。これは、リーダーに対する上司からのラインケアが足りていないと感じていて、リーダーと上司の関わりをつくることが狙いでした。まずは「半期に1回でも良いので1on1を実施してください」とお願いをして、その感想を聞きました。
【取り組み結果】
1on1実践に意味を感じた方は全体の66%でした。実際にやった方の声を聞くと「何を話していいかわからなかった」など、改まって何を話せばいいのかな?と戸惑いや気恥ずかしさを感じた方も多かったようです。しかし、今まで上司部下の関係の中でもこのようなミーティングの機会が殆どなかったということもあって、この取り組みを前向きに捉えていただけたと思います。
一方、取り組みの意味は感じていただけたのですが、実践しても課題解決まではつながらなかったケースが多かったようです。まあ突然の取り組みで、しかもたった一回やっただけで大きな変化を期待するのもちょっとおかしいのですが、色々を話を聞いてみると「解決可能な大きさまで課題を切り分ける」ことが難しいのではないかと感じました。課題分析、課題設定、目標設定はリーダー育成をしていて本当に難しい部分です。ここが上手く出来ないと、人事考課制度も機能させるのが中々難しいと思います。
ここまでやってみて、とても忙しい介護現場でも1on1の取り組みはとても意味のあるものだと感じました
課題として、必ずしも上司との関係が良い職員ばかりではないと思うので、直属の上司以外の方との面談(クロス面談)も面白いかなと思いました。メンター制度という名称でクロス面談を行っている法人もあるようです。
1on1やメンター制度を通して上司と部下が率直に話し合い、お互いが頑張っているところやポジティブな部分に目が向けられるようになっていけばいいなと思いました。