研修担当者のブログ

2023.11.30

お役立ち情報 リーダーシップとマネジメント 人間関係とコミュニケーション

参考にしたい!スターバックスコーヒーの人材マネジメント

[ホスピタリティとは何か]

接遇マナー研修を受講していると、よく「ホスピタリティ」という言葉が出てきます。サービスをマニュアル通りに提供する(接客)だけでなく、サービスを提供する側が主体的に考え、顧客の立場に立って顧客が喜んでくれるような対応を行うことがホスピタリティ(接遇)である、という違いがあるようです。

確かにスターバックスに居ると従業員の方の対応だけでなく、お店の雰囲気、環境全てから、ホスピタリティを感じることができるように思います。接客サービスマニュアルがないというのは有名ですが、その代わりに「グリーンエプロンブック」という小冊子が配られており「歓迎する」「心を込めて」「豊富な知識を蓄える」「思いやりを持つ」「参加する」というミッションを共有することが求められているようです。そんなスターバックスの企業理念や人材育成の考え方を調べてみると、興味深いことが色々と出てきます。

 

[お客様よりも従業員を大事にする会社]

スターバックスでは、社長から社員に宛てた手紙「マネジメントレター」が定期的に届くそうです。その内容は従業員に対する思いを言葉にしたものが多く、時には「一人のお客様よりも一人の従業員の方が百万倍大切」であったり、「当社の一番の財産であるパートナー(正社員、契約社員、アルバイトを全てパートナーと定義)」という表現があったり、とにかく従業員を大事にしていること、どのような雇用形態であっても、同じように大切な仲間だと捉えていることが書かれているそうです。社長が示すメッセージが社内の文化として浸透し、従業員の働きやすい環境につながっているのだと思います。

 

[基本理念とミッションステートメント(使命)]

スターバックスでは、従業員同士が「お互いに尊敬と威厳を持って接し、働きやすい環境をつくる」ことや「事業運営上で不可欠な要素として多様性を積極的に受け入れること」がミッションとして明文化されています。これらを浸透させているのが人材育成であり、その手法としてコーチングやファシリテーションが活用されているそうです。コーチングはスポーツ分野ではじまった人材育成の手法であり、「相手の能力を最大限に引き出し、最高のパフォーマンスを発揮させる」ことだと言われています。ファシリテーションは「人々の活動が容易にできるように支援し、うまく運ぶようにかじ取りすること」であり、会議やミーティングの活性化に役立つ手法です。これらの人材育成の手法を活用することで、従業員のモチベーションを向上させることが出来ているのだと思います。

 

[「Yahoo!知恵袋」の興味深いコメント]

色々調べていたら、「Yahoo!知恵袋」にて、以下のようなやり取りを見つけました。

質問:「スタバの店員はどうしてどこでも感じが良いのですか?」

回答:「私はスタバで店員として働いているものです。これまでも接客のバイトを多くしてきましたが、嫌なことばかりでいつも長続きせず『もう一生接客なんてするか!』とまで思っていました。ですが、スタバで働きはじめてからは、接客が大好きになりました。理由としては、ご来店されるお客様が皆とてもいい人達で、クレームをいう人や態度の悪い人は滅多にいないこと。お客様が良い方ばかりだからこちらも頑張れます。ちなみに教育はそれほど厳しくはされていません。ただ『お客様にまた来たいと思ってもらえるように、お客様が一息つくことが出来る場所を作ることが出来るように』と言われているだけで、それ以外はなにも言われません。スターバックスの接客がいいのは全てご来店されるお客様が作り出しているものなのだと思います」

このコメント、非常に興味深いと思いました。お店の雰囲気がお客様の気持ちを変えているのかな?と思いました。この話を聞いて「介護施設も環境づくりによって認知症のご利用者の気持ちを変えることができる」という話を思い出しました。

 

[まとめ]

介護事業所がスターバックスから学びたい点として、なによりもまずトップの姿勢、具体的には「従業員を承認する文化」であり、従業員が「お互いを尊重し対等な立場」であろうとしているところ。

そしてお客さんが優しい気持ちになれるような環境づくり(清潔感、音楽、職員の言葉、良い香り)。

これは現実には難しいかもしれませんが、たとえば、施設の一部だけでも良いのでそういう場所をつくって、一日のうち少しの時間でもご利用者や職員がそこで過ごせたらちょっと気分が変わるかな、自分も働くとしたらそういう施設がいいなあ、と思いました。

 

皆様も是非、スターバックスに行ったら、その居心地の良さの秘密について色々と研究(?)してみては如何でしょうか。

 

読んでいただき、ありがとうございました。