研修担当者のブログ

2024.03.15

お役立ち情報 リーダーシップとマネジメント

「就職前後のギャップ」の原因と対応策

1.はじめに

今回は「入職後のギャップ」について、考えてみようと思います。

エン・ジャパン株式会社は20238月に、「就業前後のギャップ」の調査結果を発表しました。調査期間は202374日~31日で、就業者2,626名より回答を得ています。この調査により、入社前後でギャップを感じた経験者の割合やギャップによる退職の有無、ギャップを減らすための取組などが明らかとなりました。

 

2.入職後のギャップとは

新人職員が入職前に抱いていた理想と入職後の現実との違いを指します。新入職員にとって、入職直後は大きな期待と不安が入り混じる時期です。しかし、入職前に抱いていたイメージと現実とのギャップに苦しみ、新人職員が早期離職してしまうケースも少なくありません。今回の調査では、対象者のうち79%の方が、「入職後のギャップを感じた」と答えています。

ギャップの内容は、「職場の雰囲気」「仕事の内容」「時給・給与」が上位を占めています。

入職後のギャップは、新入社員に対してモチベーションの低下、ストレス増加、離職意欲の増大など、さまざまな悪影響を及ぼします。これを放っておくと新人職員の離職につながり、事業所にとっても大きな損失となります。採用コストや育成コストが無駄になるだけでなく、事業所の風評被害にもつながります。

介護現場での新人の早期離職は、新人指導に関わった指導的立場の職員のモチベーションも大きく損なう可能性が高いです。早期離職があった場合は、指導者やリーダーへのフォローも管理者の重要な役割です。

ギャップが生じる原因として多いのが、採用する側の説明不足です。採用する側は、求人情報や面接で事業所の魅力をアピールする一方で、デメリットや課題について十分に説明しない場合があります。良い面もそうでない面も、誠実に説明することが必要で、これはリアリティショック研究における「RJPRealistic Job Preview:現実的な仕事情報の事前開示)」に該当します。雇用する側は、介護の仕事の大変さもしっかりと説明しつつ、「それでも自分たちはこの仕事のここにやりがいを感じているんだ」とか、「とても大事な仕事なんだ」ということを本音で熱く語ることが大事だと考えます。

 

また、介護現場は中途採用が多く、雇用形態も様々なため、入職時のオリエンテーションを誰がどこまでやるのか、という部分が曖昧になりがちなところも大きな課題だと感じています。

新人職員の「採用時に」誰が何を説明しているのか、「配属までの間」には誰が何を説明しているのか、「配属後」に現場のリーダー職員は新人職員に何をどこまで説明すればいいのかを多職種間で見える化し、共有していくことが必要だと考えます。

             

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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参考文献
“約8割が入社後ギャップを実感し早期離職も。仕事内容のギャップは「1ヵ月以内の離職」を招く恐れHRプロ 人事トレンドニュース
https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=2276