研修担当者のブログ
2023.10.15
上司と部下のコミュニケーションをどうやって良くするか ~「断らない」と「否定しない」~
いくつかの研修で、アサーティブ・コミュニケーション(アサーション)を学んでいます。これは「相手のことを尊重しつつ、自分の主張もしっかり伝える」コミュニケーションの技法です。職員や利用者、家族とより良い関りをするために、とても大切なことだと思います。
先日のリーダー研修でも色々と上司と部下のコミュニケーションを考えました。多様な考え方を持つスタッフがお互いを認め合える良いチームになっていく為に、普段のコミュニケーションをどのように変えていけば良いのかを話し合いました。
1)「断る」
私(部下)の上司はときどき「悪いんだけどこれやっといてくんない?」と仕事を振ってくるのですが、私は自分の仕事でいつも精いっぱいなので、「出来ません」「無理です」と断っています。
⇒上司としては、「これは部下であるあなたの仕事です」という認識で伝えてるのかもしれないし、自分の忙しさを軽減するためにお願いしに来ているのかもしれない。このような時にいつも即答で「出来ない」と言ってしまうと、上司も困るし、お願い自体伝えづらくなってしまう。せめて「締め切りはいつまでですか?」と確認したり、「今取り掛かっている仕事が今日中に終わるので、明日以降なら作業できます」など、自分が引き受ける場合の条件を出してみたらどうだろうか、と話し合いました。
2)「否定しない」
私(部下)は、業務効率化やICT機器に興味があって、ときどき上司に「眠りスキャン、とても良いので是非台数を増やしてください!」などと提案するのですが、いつも提案した瞬間に上司からダメ出しをくらってしまいます。なぜ私の提案を聞いてもらえないのでしょうか?
⇒提案内容が施設の現状や規模、予算等を踏まえた現実的なものになっていない可能性がある。上司が進めたい事業の方向と違っている可能性もある。しかし、提案を伝えた相手(上司)が「だめ」しか言ってくれないと、自分の提案のどこが良くなかったのか、どのような提案なら前向きに検討してもらえるのか、全く分からない。言葉で伝えてもらわないと、上司と部下の認識のずれはいつまで経っても埋まらないよね、だからこの話、施設長にもしておくね!と話し合いました。
如何でしょうか。どちらの事例も、相手と自分のコミュニケーションが「対話」となっておらず、いつまでも関係が深まらない、という特徴がありました。上司と部下のコミュニケーションを一方通行で終わらせず、何度かやり取りを繰り返すことで、自分の状況を上司に理解してもらうことができて、上司の状況も理解できるようになり、お互い協力し合ってより良い仕事ができそうです。是非ご参考にしていただきたいと思います。