研修担当者のブログ
2023.03.23
お役立ち情報
リーダーシップとマネジメント
介護職員の思考の「くせ」について
介護現場の研修をしていると「物事の良い面を見れない」「見るのが苦手」という方が多いように感じます。アンケートをとったりすると、この傾向が顕著に表れることがあります。
介護の仕事は、利用者の小さな変化に気づける能力が必要で、特に利用者の安全を守るためには、「良くない兆候」を敏感にキャッチし、介入しなければなりません。ですから、物事の良い面よりもそうでない部分が気になってしまうという事は、ある意味職業病のようなものかもしれません。
しかし、介護職には「利用者のポジティブな部分に気づき、可能性を広げ、QOLを高めるような支援」も求められています。対利用者だけでなく、自分よりも知識や経験の少ない職員の強みに気づき、承認し、成長させることも介護職の大事な役割です。
先日ある施設のリーダーから聞いた話ですが、ケアの質を高める取り組みの一環として職員アンケートを行ったそうです。アンケート項目には「周りの職員の良いところ探しをしてください」という質問を入れたそうなんですが、この質問に対して数名の職員が答えられなかったとのこと。
このことから、アンケートを行ったリーダーは、「周りの職員を見ていない」「周りの職員のいいところを見つけるのが苦手」な職員がいるんだ、ということに気づき、そのような職員の成長を支援するために、定期的なスーパービジョンをはじめたそうです。
介護現場を支える人材の多様化について度々書いていますが、どこのリーダーも多様な人材の育成や関り方について悩んでいます。リーダーを孤立させず、共に職員を育成していくという上司の協力や支援がこれまでにも増して重要になっていると思います。