研修担当者のブログ
2021.10.25
認知症とパーソナリティ障害
※今回のブログは、ピーエムシーwebサイト2017.4.2付けの「研修担当者のブログ」を加筆修正したものです。
色々な介護事業所にお邪魔して現場の方々のお話しを聞かせてもらう中で、ときどき、「対応困難な利用者」に関する悩みを聞きます。
具体的にどんなところが難しいですか?と聞いてみると、
「認知症の利用者の訴えがエスカレートして対応しきれない」
「特定の職員にだけひどく冷たい、振り回される」
「機嫌が良かったと思ったら豹変する」
などの理由で職員が疲労困憊しているとのこと。職員さんは利用者がこのような状況になっている原因を「認知症」の症状だと捉え、「認知症の利用者の訴えは否定せず受け止めることが大事」と考えて実践してきたのですが、このケースでは全く通用せず、かえって逆効果になっているとの事でした。
この相談を受けたとき、もしかしたら「パーソナリティ障害(人格障害)」なのかも!と思い、職員さんにお願いして過去の受診歴を調べてもらったところ、若いころに精神科に通院していたことがわかりました。ここからチームで話し合ってケアの方針を変更し、なんとか良い方向に持って行く事が出来ました。
相模原の「津久井やまゆり園」の事件でも注目されたパーソナリティ障害ですが、
認知症の利用者対応と違って「冷静に」「毅然とした態度」「統一した対応」を心掛ける必要があります。
看護師・介護士向けの精神疾患を説明する書籍も色々と出版されていますので、主任、リーダークラスの方は特に学んでおく必要があると思います。場合によっては職員へのラインケアで必要な知識です。
また、小規模事業所の介護職は、医療系専門職からの助言や指導を得られる機会が少ないため、医療に関する知識を学んでおくことがとても大事です。
自分自身も精神疾患に関する知識を更に学び、よりよい人材育成に活かしていきたいと思います。