研修担当者のブログ
2020.10.25
特別養護老人ホームの新人職員育成におけるチームリーダーの役割
1.はじめに
ピーエムシーの人材育成プログラムのひとつ、「新人職員100日プログラム」では、プログラム終了時に新人職員(新人)および指導担当者(指導者)、指導者の直属の上司であるチームリーダーに対してアンケートをお願いしております。
このアンケートはプログラムの見直しに伴い、3年程前から実施していますが、アンケート結果の分析や集計をこれまでほとんど行ってきませんでした。
新人をチームで育てるためにチームリーダーはどのような役割を担えばいいのか?少しでも参考になるような知見を得たいと思い、整理した結果を以下に記述します。
2.アンケート分析の目的
介護現場(特別養護老人ホーム)の新人職員育成におけるチームリーダーの役割を明らかにすることです。
2.方法:
ピーエムシーの「新人職員育成100日プログラム」実施後、チームリーダーへ記述式アンケートを行い、その結果を質的に分析しました(約50名分)。
ちなみに、チームリーダーへのアンケートのうち、「新人や指導者にどのように関わっていましたか」「どのような工夫をしましたか」という質問への回答を今回集計しまとめています。
3.結果:
1)チームリーダーはどのような役割を担っていたか
①指導者へのスーパービジョン
(教育する、メンタル面を支える、新人の能力に合わせて業務を任せる)
②新人職員をアセスメントし、そこから明らかになった課題を指導者・
チームに伝える
③チームのメンバーに新人指導の必要性を発信し、意識づける
④新人にチームで関わる育成のしくみをつくる (交換日記や指導ノート)
⑤受け入れチームの環境調整
(連携のための会議の提案、小チーム編成、シフト調整)
2)チームリーダーは、いつ、誰に、どのような支援が必要か
①指導者に対して、特に4月中のフォロー
(初期の1か月指導者のストレスが高まる)
②チームに対して、新人が独り立ちする入職3~6か月後に新人への関わりを意識づける(この時期新人の不安が高まる)
4.考察と考察
アンケートの整理をしていて感じたことは、「新人育成を支援出来ているリーダー」と「支援出来ていないリーダー」の差が、かなり大きいのかな?ということです。
良い支援が出来ているリーダーは実際には3割くらいしかいないのではないか、と思います。多くのチームリーダーがプレイングマネジャーであり、チームを俯瞰して課題を発見する余裕がないのだと思います。
限られた時間で如何にチームのマネジメントを行っていくのか?新人職員と指導者への支援は具体的には何をすれば良いのか?今後はもう少し丁寧にアンケートを読みこんで「新人育成をうまく支援出来ていないチームリーダー」の参考になるようなレポートをまとめたいと思います。