研修担当者のブログ
2024.02.15
話すことは放すこと
リーダー研修の講師として参加者の皆さんと多くの対話を交わしている中で、時折受講者の方が、数年前の個人的な経験を思い出し、その話をしてくれる瞬間に立ち会います。そうした時に話されるエピソードは、その人にとってのトラウマや、初めて口にするような深刻な内容を含んでいることが結構多いなと感じています。
私たちの研修では、一つの大切な決め事を設けています。
それは、互いの話を否定せず、受け止めることです。
この決めごとが、話しやすさを生み出し、重い話も共有しやすくしているのかもしれません。
心の重荷を一人で抱え込むことは、本人にとって予想以上のストレスとなります。
誰かに話すことで、その重荷を少しでも軽くできるのです。
以前、ある人から「話すことは放すこと」という言葉を聞いたことがありますが、これは非常に真実をついていると思います。苦しい思いを抱えている時は、それを誰かに聞いてもらい、共有することで、その苦しみを手放す一歩に繋がるのです。
例えば、映画監督や音楽家の中には、自らの内なる傷を作品に映し出し、それを通じて癒しを得ている人が少なくありません。シャーロット・ウェルズという映画監督は、父親の自死という非常に重い経験をもとに、2本の映画を制作しました。また、バンド「グリーンデイ」のメンバーであるビリー・ジョー・アームストロングは、父を失った悲しみを「Wake Me Up When September Ends」という曲に込めました。
私自身は映画を撮ることも曲を作ることもありませんが、人々が心を開いて思いを語れる場を提供し続けることができると考えています。
誰かが自らの話をすることで、心の重荷を少しでも軽くすることができるよう、これからも対話の場づくりを続けていきたいと思います。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。